有機過酸化物について

HOME > 有機過酸化物について

有機過酸化物について

有機過酸化物は、過酸化水素(H―O―O―H)の誘導体で、過酸化水素の水素原子1個又は2個を、有機の遊離基で置換した構造をしており、その分子内に過酸化結合「O―O」を持つことを特徴としております。
この過酸化結合は、他の結合、例えば「C―H」、「C―C」、「C―O」結合等に比べて結合エネルギーが小さく、熱や光により容易に分解し、遊離基(フリーラジカル)を発生します。
この遊離基は非常に反応性に富んでおりますので、各種ビニルモノマーの重合開始剤、不飽和ポリエステル樹脂の硬化剤、熱可塑性プラスチックの架橋剤等、種々のラジカル反応の開始剤として使用されております。

分類

有機過酸化物は、その化学構造から、次のように分類することができます。

分類 化学構造式
ケトンパーオキサイド類
ジアシルパーオキサイド類
ハイドロパーオキサイド類
ジアルキルパーオキサイド類
パーオキシケタール類
アルキルパーエステル類
パーカーボネート類

活性酸素量

有機過酸化物は分子内に過酸化結合を持っておりますが、この過酸化結合の分子中の濃度を表すものとして、活性酸素量(AO)が用いられます。

上式を利用し、逆に、活性酸素量の測定値より、純度を知ることが出来ます。尚、特に純度100%の場合の活性酸素量のことを理論活性酸素量とよんでおります。

重合開始剤として

前述の如く、有機過酸化物は熱あるいは還元性物質等により分解し、フリーラジカルを発生します。このフリーラジカルは、周りに不飽和単量体が存在すると、これに付加し、二重結合を開くと同時に、新たなラジカルに変わります(開始反応)。このような形で不飽和単量体に次々と付加していき(成長反応) 、ポリマーを形成していきます。
具体的には、本手法は、塩ビポリマー、ポリスチレン、高圧法ポリエチレン、アクリル塗料、PMMA、ABS或いはSBR等の合成樹脂、合成ゴムの工業的生産に利用されております。

硬化剤として

同様に、バスタブ、浄化槽、ボート等繊維強化不飽和ポリエステル樹脂製品(FRP)或いは不飽和ポリエステル樹脂ベースの人工大理石、ボタン、パテ等の硬化剤として、またDAP樹脂等の硬化剤として、工業的に使用されています。硬化機構は基本的には上記重合機構と同じです。

架橋剤として

有機過酸化物から発生するフリーラジカルは、反応性が大きいため、飽和結合中の炭素に結合している水素を引き抜いて、新たなラジカルを生成させることも出来ます。これらの生成ラジカルは再結合し、その結果、この飽和化合物間の橋かけが形成されることになります。
本反応は、ゴム、ポリオレフィン等の機械的強度或いは耐熱性を改善するための架橋反応に利用されております。

  • 有機過酸化物の分解特性とその選択
  • 有機過酸化物の取扱